犬の症例

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群は、鼻の孔が狭い、軟口蓋という部位が長くなっているなどが原因で、息がしにくくなる病態です。

パグ、ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ等の犬種(頭部が短い犬種)は、鼻が短く、喉の奥の方が狭くなっているため、息をすると「フガー!フガー!フガー!」と通常でも苦しそうな呼吸になっていたり、いびきが認められたりします。

短頭種と呼ばれる犬種の場合には、症状に気づかず治療せずに放置すると年齢が進むにつれて症状が進行してしまい、治療困難な「喉頭虚脱」と呼ばれる状態になってしまうことがあるため、4~24か月齢の若い時期に治療を受けた方が良いと考えられています。

当院では、パグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズなどの犬種では避妊去勢手術の時に短頭種症候群に対する矯正手術も同時に実施することをお勧めしています。今回来院された子は、短頭種のペキニーズちゃんで、夏場など暑い時期や興奮した後には倒れたり体調を崩してしまったりするということで、当院にて矯正手術を実施させて頂くことになりました。

鼻の孔の大きさを手術を行って広げます

 

軟口蓋と呼ばれる部位を短く切除しました。これによりガーガーいうような喉鳴りが減り呼吸が楽になります。

 

切除した軟口蓋

術後は手術前よりも呼吸が楽になり、将来的に喉頭虚脱になり難くなります。