犬の症例

猫の後足の骨折(創外固定法で治療)

後肢を骨折した猫ちゃんが来院されました。後肢の脛骨・腓骨と呼ばれる骨がパッキリと折れています
この部位はギプス固定もなかなか難しく、治りづらい部位のため手術が必要になるケースが多いです。この子の場合は「創外固定」と呼ばれる方法で固定しました。

創外固定法とは

創外固定法とは、骨に金属のピンを皮膚の外から串刺し状に刺入して、そのピンを外部で固定して骨を整復・固定する手術です。

 

創外固定法のメリット

この方法はプレート法に比べて材料費が掛からず安価で、色々なタイプの骨折手術に適用可能です。

また、感染症がある場合にも適しており、開放骨折、骨髄炎、感染を伴う偽関節、整復が困難な粉砕骨折、咬傷事故による骨折など、感染が疑われるケースでは創外固定法が適しています。

骨折部位を切って開けずに手術が可能な場合は、骨癒合までの時間が短くなり治りが良い傾向があります。

骨折が完全に癒合した後は、外部からピンを簡単に抜去することができるというメリットもあります。

 

創外固定法のデメリット

手術後は、骨に刺入したピンが皮膚から飛びて出している状態で過ごす必要があるため、術後もピンの刺入部位の消毒などを定期的に行う必要があります。

また、刺入したピンが感染したりするとピンが緩んできてしまうこともあります。関節内の骨折などには、創外固定法は向いていません。
創外固定法での手術の流れ

 

①麻酔下で手術(創外固定法)

②ピン刺入部の消毒を定期的に行う(毎日~1週間おき)

③2~3か月程度で骨が癒合

④麻酔下でピンを摘出

 

という感じです。

 

プレート法の場合は術後管理がほとんど必要ないため、2、3日で普通の生活に戻れるのがメリットですが、

創外固定法での手術の場合は、包帯の交換や消毒などの管理を骨が癒合するまで続けなければならないのがデメリットです。