猫の症例

猫のサイヘルニア

当院での猫の避妊手術は「釣りだし鈎」という器具を使って卵巣を取り出して行うため、傷の大きさは5mm程度で避妊手術が可能です。いつも通り猫ちゃんのお腹の毛を刈ってみてみると…、お腹に腫れている部分があります。これは「臍(さい)ヘルニア」といっておへその部分に孔があいてしまっている先天性の疾病であり、診察をしていると時々見かけます。このような場合は、お腹の外に出てきている内臓をお腹の中に押し込んでから、腹壁を縫合して閉じれば問題無く治りますので、避妊手術や去勢手術など麻酔を掛ける機会があれば、同時に治してしまうのが良いです。また、臍ヘルニアがある場合は、他の病気(口蓋裂、心膜横隔膜ヘルニア、心房心室中隔欠損、頭側腹壁ヘルニア)など他の先天性異常も併発していることがあるため、念のためレントゲン検査やエコー検査などで調べておくのが良いでしょう。

お腹の毛を刈るとサイヘルニアがあるのがよく分かります。