抱っこ中の落下で骨折…犬の中手骨骨折の治療と予後【実際の症例】
神戸市垂水区の垂水オアシス動物病院です。
今回は、トイプードルの前足の骨折(中手骨骨折)について、実際の症例をもとに解説します。
「犬が急に足をつかない」「前足を浮かせている」このような場合、骨折の可能性もあります。
【症例紹介】トイプードルの前足の骨折(中手骨骨折)
- 犬種:トイプードル
- 年齢:8歳
- 性別:メス
- 体重:3.6kg
抱っこしている状態から落下してしまい、その後左前足を完全に挙上しているとのことで来院されました。
小型犬ではこのような「抱っこ中の落下」による骨折は非常に多いです。
犬の中手骨骨折とは?よくある原因
中手骨は、前足の甲の部分にある細い骨です。
この部位の骨折は特に小型犬で多く、原因としては
- 抱っこ中の落下
- ソファやベッドからの転落
- 滑って着地に失敗
- 踏まれてしまった
- ドアに挟まれた
- 何処かにハマってしまい骨折
などが挙げられます。
犬の前足の骨折の症状
中手骨骨折では以下のような症状が見られます。
- 足をつかない(完全挙上)
- 前足をぶら下げたままにする
- 腫れや痛み
「少し様子を見よう」となるケースもありますが、骨折の場合は早期診断・早期治療が重要です。
レントゲン検査で分かったこと
レントゲン検査を行ったところ、
- 第3・第4・第5中手骨の横骨折
が確認されました。

複数本の骨折がある場合、自然にきれいに治ることは難しく、
手術が必要になることが多い部位です。
中手骨骨折の治療法|手術が必要なケース
犬の中手骨骨折には大きく分けて2つの治療法があります。
■ 保存療法(ギプス・外固定)
- 骨折が1本のみ
- 転位が少ない
- 第3,4指が骨折していない
このような場合に選択されます。
■ 手術(内固定)
- 2本以上の骨折
- ずれ(転位)がある
- 不安定な骨折
👉 今回は第3、4指を含めて3本骨折していたため手術適応となりました。
今回行った治療:Kワイヤーによるピンニング固定
今回は手術を行い、
- 骨折部を切開
- 中手骨の遠位側から孔を作成
- Kワイヤーを髄腔内に挿入し整復固定
という方法で治療しました。

この方法は
- 小型犬でも適応しやすい
- 比較的低侵襲
- 安定した固定が得られる
といったメリットがあります。
術後経過と予後
術後は順調に回復し、
- 徐々に患肢の接地が可能に
- 約3ヶ月で骨癒合を確認
- Kワイヤー(ピン)を抜去
最終的には跛行なく正常歩行に回復しました。
予後は非常に良好です。
犬の中手骨骨折で重要なポイント
今回のような症例では以下が重要です。
■ 複数本骨折は手術適応になりやすい
2〜3本以上折れている場合は、
手術を行った方が機能回復が良好です。
■ 放置すると変形治癒のリスク
適切に整復しないと
- 指の向きのズレ
- 慢性的な跛行
につながる可能性があります。
■ 早期治療が非常に重要
時間が経つと整復が難しくなるため、
早めの受診が予後を左右します。
まとめ|犬が足をつかない場合は早めにご相談ください
トイプードルなどの小型犬では、
- 抱っこ中の落下
- 家の中での転落
によって前足の骨折が起こることがあります。
「足をつかない」「ぶら下げている」といった症状がある場合は、できるだけ早く動物病院を受診することが大切です。
神戸市垂水区で犬の骨折治療なら
垂水オアシス動物病院では、
犬の骨折(整形外科手術)にも対応しております。
- 前足をつかない
- 急に歩けなくなった
- 骨折が疑われる
このような場合は、お気軽にご相談ください。
垂水オアシス動物病院
