犬の症例

前十字靭帯断裂(TPLO)

先日、後肢の「前十字靭帯断裂」に対してTPLOと呼ばれる方法で手術を行いました。

TPLO(Tibial plateau leveling osteotomy : 脛骨高平部水平化骨切術)】

 

このTPLOという手術法は、手術前の精密なシュミレーションが必要であり手技的な難度が高いため、

国内はもちろん米国まで研修を受けに行き、特殊な専用機器を導入して取り入れています。

 

1993年にアメリカのDr.Slocumらが考案した、犬の前十字靭帯断裂症に対する新しい手術法がTPLOです。
当初は大型犬へ施術されていましたが、現在では小型犬や猫にも行われています。

国内で従来から一般的に実施されている関節外安定化術よりも多くの点で優れており、現在、最も成績の良い治療法とされています。(90%以上に症状の改善が認められる)

TPLOには早期の回復が得られること、術後の機能回復がより良好であること、手術後の骨関節炎の進行がより軽度であること、手術後の半月板損傷の発生率が低いことなどのメリットがあります。

 

従来からの手術方法に比較して回復が早いため、早く良くなってくれるのを期待しています。

 

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師(院長) 井尻