カメの症例

カメの甲羅の割れや破損について

先日、甲羅をアライグマ?などの野生動物に齧られてしまったカメさんが来院されたました。

 

↑甲羅が割れていました

症状

甲羅が割れてしまっている場合(甲羅の骨折)、甲羅の鱗板の下にある骨も折れているケースがあります。

骨が折れてしまい、骨が変位していると、その隙間から内臓が出てきてしまうこともあり、甲羅の骨折によって、肺の損傷、出血、ショック状態になってしまうこともあります。肺に損傷があった場合、肺炎に罹患してしまうこともあるため要注意です。

診断

視診や触診の後に、X線検査、CT検査(エコー検査なども)を使って、甲羅の破損の様子を調べていきます。

治療

甲羅が骨折している場合、痛み止めを投与し、身体が冷えないように保温、抗生剤投与、輸液投与などを行い、なるべく早めに骨折を整復固定を検討します。

ただ、状態が悪ければ、輸液をしたり、酸素を吸わせたり、抗生剤の投与を行って、状態を改善させることが優先です。

感染が疑われる場合は、抗菌薬を使って感染症の治療を行った後に骨折の整復手術を実施します。

甲羅の骨折を治す方法には、プレート固定、スクリュー+ワイヤーで固定、ワイヤーで固定、エポキシパテで固定する方法があり、骨折の状況により適宜選択されます。

甲羅の骨折が治るまでに、長いと半年から一年間くらいかかることがあります。