ウサギの症例

うさぎ前肢の膿瘍

うさぎの膿瘍

うさぎは身体のあちらこちらに「膿瘍」が出来やすい生き物です。

特に多いのは、顔回りの膿瘍(歯の疾患が原因)と、足にできる膿瘍(潰瘍性足底皮膚炎が原因)です。

先日来院されたうさぎさんは前足と後足ともに膿瘍が出来ており、切開し排膿、消毒などの治療を行いました。

↑前足の皮膚を切開すると大量の膿が出てきました(白いものが膿瘍)

うさぎの足裏には犬や猫にあるような肉球が無く、クッションの役割をする被毛が生えているだけなので、体重が被毛越しに足裏の皮膚に掛かります。そのため、その毛が汚れてしまったり、尿にぬれたり、便がついていたりすると、直に足裏の皮膚がダメージを受けてしまい皮膚炎になってしまいます。

そのままにしておくと、足裏に孔が開いてしまい、深部に感染をおこして膿瘍化していきます。

一度悪化してしまうとなかなか治らなくなってしまうため、早めの治療や対処が必要です。

治療方法

  • 感染に対しては抗生剤を使う
  • 肥満例では体重を減らす
  • 床材は柔らかい材質の物に変えてまめに交換する(牧草や厚いタオル)
  • 足裏に負担が少ない床材に変更する(金属メッシュなどは足裏に食い込むため良くない)
  • 足裏をガードするために包帯を巻く場合もある
  • 膿瘍が出来ていたら、切開し排膿・消毒する

足裏をみて毛が薄い場合や、皮膚が赤くなっていたりする場合、腫れている場合は早めの受診がお勧めです。

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻